FX取引では「FIFO注文を覚えると強い」と耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際に1分1秒の差が利益を左右するFXではFIFO注文をマスターしている人の方が有利に取引することができるのは間違いありません。
しかし、FIFO注文についてよく理解していないという人がFX投資をしている人の中に相当数存在するのは事実です。
この記事ではFIFO注文の基礎やメリット・デメリットについて解説します。
特にFIFO注文は取引できるFX会社が限られていますので、FIFO注文について理解し、口座にを開設するFX会社を選べるようになりましょう。
FIFOとは
FIFOとはFirst in First outの略称です。
日本語に訳すと「先入れ先出し」となり、経理をやっている人や簿記をかじったことがある人であれば耳にしたことがある人も多いはずです。
まずはFIFOとは何かということについて解説していきます。
先に入れたものから先に出していく先入れ先出し
FIFOとは、先に仕入れたものから先に出していく「先入れ先出し法」のことです。
例えば、A→B→Cの順番に購入したとすると、出す(売る)のもA→B→Cという順番で払い出していくことをFIFOと言います。
FX以外にも使われる言葉
FIFO(先入れ先出し)はFX以外にもよく使われる言葉です。
特に使われるのが簿記ではないでしょうか。
先に仕入れたものから先に販売したという前提で売上原価や棚卸商品の価格を算定する時にはFIFOによって計算します。
FIFOはFXだけでなく、主に経理関係でよく使われる言葉になります。
FXにおけるFIFOとは
FXにおけるFIFOとは、保有している売りポジションから買い注文を決済することです。
先に保有している売りポジションと自分の買い注文を決済することによってスピーディーに取引をすることができるようになります。
FXにおけるFIFOについてさらに詳しく解説していきます。
保有している売りポジションから買い注文を決済すること
FXにおけるFIFOとは、自分が保有している売りポジションを自分の買い注文で決済すことです。
先に入れた売りポジションを先に出すから「先入れ先出し」となり、このような注文をFIFO注文と言います。
例えば、売りポジションを20Lot保有している状態で、10Lotの買い注文を発注した場合を考えてみましょう。
FIFO注文の場合には、自分が保有している20Lotの売りポジションから10Lotの買い注文を決済することになります。
結果として、買いポジションを10Lot得るのではなく、売りポジションが10Lot残ることになります。
決済時にポジションを指定しなくてもよりスピーディーに取引できる
FIFOのメリットは、スピーディーに取引をできるようになるということです。
通常の注文であれば、売りポジションを決済してから、買いポジションを決済するというように、それぞれのポジションを指定した上で別々に取引を行います。
しかしこれは非常に面倒で時間もかかってしまいます。
売りたい分は売りたい分だけ決済して、買いたい分は買いたい分で決済していたら別々に決済しなければならないのでとにかく時間が無駄になってしまいます。
しかしFIFO注文であれば、売りと買いを1度の決済で行うことができます。
例えば、売りポジションを10Lot保有している状態で30Lotの買い注文をFIFO注文で発注した場合、買いポジションが20Lot残ることになります。
通常であれば10Lotを売り、30Lotの買い注文を別々で決済しなければなりませんが、FIFO注文は1度の決済で売りと買いを相殺することができるので、スピーディーな取引をすることが可能です。
FIFO注文のメリット
FIFO注文のメリットは以下の2点です。
- 買い注文1つで売りも買いも可能になる
- 注文する時間の効率化に繋がる
買いと売りを同時に決済することができるので、取引の効率化に大きな力を発揮します。
FIFO注文のメリットについて詳しく解説していきます。
買い注文1つで売りも買いも可能になる
FIFO注文は買いも売りも1つの取引で可能になります。
売りを決済し、買いも注文するというのは、手続きがかなり面倒で心理的にも取引の数が多いほど不安定になり決定も揺らぎがちになります。
しかしFIFO注文であれば、先に仕入れた注文は先に決済し、売りと買いを1回の取引で決済することができるので、取引を行うのが非常に楽になるというメリットがあります。
取引に手間がかからない分、心理的に揺らいでしまうというリスクも排除することができるでしょう。
注文する時間の効率化に繋がる
FIFO注文を売りと買いを1度の取引で決済することができるので、注文する時間の効率化に繋がります。
例えば、保有している売りポジションよりも多くの買いをFIFO注文で出すと、買いが売りを超過した分は買いポジションとして新規建玉になるので、この場合には買い注文だけで済むことになります。
わずかな利幅を狙って取引するスキャルピングを行う場合には、とにかく1秒1秒という短い時間が勝負になります。
このような時に、売って買ってという取引を繰り返していると、せっかくの利益獲得のチャンスを逃してしまう可能性もあります。
FIFO注文であれば、売りを買いを一度に取引することができるので、スキャルピングをする際にも時間を無駄にすることがありません。
このスピード感を実現することができるのがFIFO注文最大のメリットだと言えるでしょう。
FIFO注文のデメリット
FIFO注文はメリットばかりではありません。
以下の3つのデメリットをあげることができるので注意が必要です。
- 決済するポジションを選ぶことができない
- 両建てで取引することは不可能
- FX会社が限られている
スキャルピングなどの方法によってスピーディに取引したい場合にはFIFO注文を外すことはできません。
あらかじめFIFO注文が可能な上記いずれかのFX会社と取引をすることをおすすめします。
FIFO注文の3つのデメリットについてもしっかりと頭に入れておきましょう。
決済するポジションを選ぶことができない
FIFOは決済するポジションを選ぶことができません。
先に仕入れたものが先に決済されるので、先に買いポジションであれば買いが決済されますし、売りポジションであれば先に売りが決済させれてしまいます。
FIFO注文は先に保有しているポジションが強制的に決済されてしまうのでポジションを選ぶことはできません。
FX投資をしている人の中には、失敗したポジションを一定期間放置して回復するまで待っていたいと考える人もいますが、FIFO注文をすることによって強制的に古いポジションを決済されてしまいます。
また、スワップポイント目的で長期保有しているポジションもFIFO注文をすることによって決済されてしまうことになります。
このように、よく分かっていないのにFIFO注文をしてしまうと、決済するはずではなかったのに決済してしまったという可能性があるので注意が必要になります。
両建てで取引することは不可能
FIFO注文は両建てで取引することはできません。
FIFO注文では、
- 同じポジションの保有または追加
- 保有ポジションの決済やポジションの切り替え
することは可能です。
しかし、売りと買いの両方のポジションを持つことは不可能です。
そのため、例えば重要指標が発表される直前などで「先行きが不透明だから両方のポジションを持っていたい」というような場合には、FIFO注文では両方のポジションを持つことはできません。
売りか買いいずれかのポジションしか持つことができないという点がFIFO注文2つ目のデメリットです。
FX会社が限られている
FIFO注文でFX取引をしたいと考える人が最も注意しなければならないのは、FIFO注文ができるFX会社は限られてしまっているという点です。
FIFO注文は全てのFX会社でできるわけではなく、対応しているのは以下のFX会社だけです。
- DMM FX
- 外為ジャパン
- YJFX!(外貨ex)
- みんなのFX(トレイダーズ証券)
この中では口座開設の特典が充実しており、高いスワップポイントと狭いスプレッドを誇るDMM FXが最もおすすめです。
FIFO注文を検討している人は DMM FXで口座を開設することを検討してみるのがよいでしょう。
まとめ
FIFO注文とは、先に仕入れたポジションを決済する方法で、自分の持っているポジションを自分の注文で相殺することができます。
それぞれのポジションを別々に決済するよりも非常に早く取引をすることができるので、スピーディーな取引をすることができるのが魅力です。
しかし、FIFO注文は両建てで保有することができずに、ポジションを選ぶこともできないなどデメリットも大きいので、リスクも十分認識した上で活用するようにしましょう。
FIFO注文ができるFX会社は限られているので、口座開設特典が大きなDMM FXなどで取引するのがよいでしょう。