日本の業者ではなく、海外のFX会社を好んで取引している人は少なくありません。
そのような人は、特にFX上級者に多い傾向があります。
これは、海外FX会社が日本のFX会社にはない様々なメリットを持っているためです。
しかし、海外のFX会社にはデメリットもあるので、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で海外業者に口座を作ることが重要です。
この記事では海外のFX会社と国内のFX業者の違いと、海外業者のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
海外FX会社と日本の業者との違い
海外FX会社と日本の業者では様々な面で違いがあります。
基本的には日本の業者の方が取引しやすいですが、海外の業者の方がハイリスクハイリターンを狙うことができるという特徴があります。
日本の業者と海外の業者の違いは主に以下の4点です。
- レバレッジ
- 広がる
- アプリ等のツール
- 投資家の保護
海外のFX会社と日本のFX業者の4つの違いについてまずは詳しく解説していきます。
レバレッジ
日本の業者は金融庁の規制によって25倍までのレバレッジと決められています。
FXがハイリスクハイリターンにならないように配慮されているのです。
しかし、海外のFX会社は金融庁の管轄対象ではありません。
そのため、25 倍どころか数百倍、数千倍のレバレッジをかける業者も存在し、海外のFX業者の方が少ない元手で多くの金額を取引することができます。
ただし、海外の業者でも、金融庁が「日本居住者にはレバレッジの規制を適用する」よう指導しており、業者によっては25倍までのレバレッジにするか口座開設を拒否する場合もあります。
必ず海外FX会社であれば高いレバレッジで取引することができるとは限らないという点を理解しておきましょう。
広がる
スプレッドに関しても国内業者と海外業者では傾向が以下のように違います。
- 国内FX業者:原則固定スプレッド(DD方式)が多い傾向
- 海外FX業者:変動制スプレッド(NDD方式)が多い傾向
NDD方式とは、インターバンク市場における「売値(BID)」「買値(ASK)」の差分によってスプレッドが決定方法で常にスプレッドは変動します。
一方、DD方式とは、FX会社自身が相手方となって取引を成立させる相対取引で行われる方法で、NDD方式のリアルな為替レートとは異なり業者が独自に設定したレートとなっています。
DD方式の業者の収益源はスプレッド以外になっているので、日本国内のDD方式採用の業者は世界最狭レベルのスプレッドを実現することができています。
もちろん、日本国内の業者もNDD方式を採用している業者もありますが、傾向として「海外業者= NDD方式」「国内業者= DD方式」というのが一般的でしょう。
アプリ等のツール
アプリや分析ツールは日本の業者の方が充実しており、海外業者の方がツールは乏しいということができます。
日本の業者にはアプリや分析ツールなどが非常に充実していますが、海外のFX会社と取引する際のツールとしては、どの業者でも利用することができるメタトレーダーくらいしかありません。
これは「日本の業者の方が親切だから」というわけではなく、単純に日本の業者の海外が業者よりも儲かっているためです。
日本の業者の取引量は狭い最大となっているので、取引量が多ければその分収益力も高くなります。
その収益をアプリや分析ツール開発に投下することができるので、国内業者の方がアプリや分析ツールが充実しています。
この観点からもFX初心者は分かりやすい国内業者と取引をした方がよいでしょう。
投資家の保護
国内業者は金融庁の様々な規制によって投資家の保護が図られています。
例えばFX会社の経営が健全に守られるように、自己資本規制比率は120%以上の規制がかけられていますし、証拠金が守られるように信託保全などのルールも決められています。
ちなみに信託保全とは、FX会社が顧客から預かった証拠金を信託銀行に信託することです。
これによって、FX会社が倒産しても信託銀行から投資家へ証拠金が返還されるので投資家は保護されます。
一方、海外のFX会社は金融庁の管轄外となっているので、このような投資家保護の規制がありません。
一部しか信託保全を行っていない業者もあれば信託保全を行わずに分割管理をしているだけという業者も存在し、明らかに投資家保護という観点では国内業者の方が充実しています。
海外FX会社の3つのメリット
海外FX会社には日本の業者と比較して、以下の3つのメリットがあります。
- レバレッジが高い
- ゼロカットシステムと低い強制ロスカット基準
- 口座開設ボーナスが大きい
海外の業者最大のメリットは非常に高いレバレッジですが、そのほかにもゼロカットシステムや初回ボーナスなどのメリットもあります。
海外業者の3つのメリットについて詳しく解説していきます。
レバレッジが高い
海外のFX会社最大のメリットはレバレッジの高さです。
海外業者のレバレッジは100倍〜3000倍となっており、日本国内のFX 業者の25倍と比較すると、圧倒的に高いレバレッジで投資を行うことができます。
例えば証拠金10万円で取引した場合
- 国内の業者:250万円(10万円×25倍)
- 海外の業者:3億円(10万円×3000倍)
というように、取引することができる金額が同じ証拠金でも全く違うます。
同じ元手から多くの金額を取引することができるのは間違いなく、海外のFX業者です。
また、日本国内においては、2019年に金融庁が「レバレッジが10倍に引き下げられる方向で検討している」という報道がありました。
この検討は一度見送られましたが、日本国内の業者においては、レバレッジがどんどん引き下げ傾向にあり、ハイリターンは望み難しいなっています。
多くの金額を取引したい人は、海外FX業者へ依頼した方がメリットは大きいでしょう。
ゼロカットシステムと低い強制ロスカット基準
海外FX会社にはゼロカットシステムがあるというのも非常に大きな魅力です。
「レバレッジが大きければ損失も大きいのでは?」と多くの人が海外FX業者で取引をすることを心配しています。
確かにレバレッジが大きくなれば損失も大きくなります。
しかし、海外FX会社には「ゼロカットシステム」という非常に画期的なシステムがあるのでリスクはそこまで高くありません。
ゼロカットシステムとは、証拠金を上回る損失が出た場合には業者がその損失分を負担してくれるシステムです。
そのため、急激に価格変動が起きて口座の残高がマイナスになってもそのマイナス分は業者が負担してくれるので追証の心配はありません。
どんなにレバレッジを効かせて損失を出したとしても、損失になるのは最大で証拠金の金額だけですので、海外FXは実はリスクはそれほど高くありません。
また、同じようにロスカット基準が海外業者の方が低い傾向があります。
海外のFX会社は、証拠金維持率が20%〜40%を下回った時に強制ロスカットとなることが一般的です。
国内業者の場合には国内業社では100%を下回った時に強制ロスカットが発動することが一般的ですので、海外業者の方が少ない証拠金をめいいっぱい使ってトレードすることができます。
口座開設ボーナスが大きい
海外FX会社はボーナスが大きいという点もメリットです。
業者によって異なるものの以下のような口座開設ボーナスがついていることが一般的です。
- 未入金トレードが可能な口座開設ボーナス
- 入金額の100%ボーナス
- 損失補填
- キャッシュバック
- 他社からの乗り換え損失補填
- 豪華なプレゼントなど
このように、海外のFX会社は魅力的な口座開設ボーナスを用意して、新規顧客の獲得に力を入れています。
国内の業者が「口座開設して入金後に1万円ボーナス」などとなっていることと比較すると、海外業者の方が口座開設ボーナスは充実していることが一般的です。
海外FX会社のデメリット
海外FX会社のデメリットと言えば「リスクが高い」という点をあげる人が圧倒的大多数です。
しかし、多くの人はリスクを承知で海外FX口座を開設しています。
そのため海外FXのデメリットはリスク以外の面で考えるべきでしょう。
リスク以外の海外FXのデメリットとしては以下の3つのポイントをあげることができます。
- 総合課税される
- 日本円で口座振込できない
- 信託保全がない
海外業者の3つのデメリットについてもしっかりと理解し、デメリットも承知した上で海外業者と取引をしましょう。
総合課税される
海外FX会社で得た所得は他の所得と統合して総合課税されます。
国内業者には特定口座が用意されており、FXで得た利益は自動的に税率は20.315%(所得税+住民税)で申告を行ってくれます。
しかし、海外のFX会社には特定口座がないので自分で確定申告をしなければなりません。
まずこの点が面倒です。
そして、総合課税の場合、所得に応じて以下の所得税が適用されます。
課税される所得
(合算後の総得) |
所得税率 | 得られた除除
(課税される所得から差し引く) |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円を超える | 45% | 479万6,000円 |
給与得などと合わせた得が330万円を超え695万円以下であれば20%の得税が課税され、さらに10%の住民税が課税されます。
つまり、総合課税の場合には税率は30%ということになりなり得得によっては海外FX業者の方が税率が高くなってしまいます。
日本円で口座振込できない
海外FX会社の中には日本円で入金することができない業者も存在します。
多くの業者が国内業者と同じように、FX業者の国内の銀行へ送金することで入金をすることができます。
しかし一部の業者は、国内に銀行口座を持っておらず、クレジットカードやbitwalletなどの方法でしか入金することができない場合が少なくありません。
国内業者のように振込で利用できずに、クレカなどを使わなければならないことに不安を感じる人は多いはずです。
また、慣れるまでは入金手続きが面倒になります。
この点も海外FX業者のデメリットだと読むでしょう。
信託保全がない
海外FX会社は日本国内の業者のように信託保全というルールがありません。
そのため、業者が倒産した場合には証拠金が返金される保証がないということがいえます。
仮に口座を開設したばかりの業者が倒産寸前だった場合には、入金した証拠金が返還されずに逃げられてしまうという可能性は十二分にあります。
証拠金の保全という意味では間違いなく日本国内の業者の方が安全であり、海外FX会社の大きなデメリットだとみなでしょう。
おすすめ海外FX会社
最後におすすめの海外FX会社について解説しています。
海外FX会社は多数存在しますが、低スプレッドでブロッキングポイントも高い業者は以下の5社です。
- XM
- forex.com
- AVA貿易
- サクソ銀行
- IG証券
おすすめの海外FX会社5社の特徴などについて詳しく解説していきます。
XM
レバレッジ | 888倍 |
広がる | NDD方式 |
ボーナス | 口座開設ボーナス(XM口座を有効化させ、3000円の未入金ボーナス) 入金ボーナス(入金した時点で獲得できる100%入金ボーナス) ロイヤルティポイント(取引ボーナスに交換できるポイントプログラム) |
XMは最大888倍のレバレッジが魅力です。
さらに、口座開設時のボーナスも充実しており、入金額の100%ボーナスなどは人気の特典です。
初めて海外FX会社と取引する場合にもXMはおすすめの業者です。
forex.com
レバレッジ | 25倍 |
広がる | NDD方式 |
ボーナス | FX、ノックアウトオプションの月間総取引量に応じた 「上限なし」のキャッシュバックプログラム
ステージ制のキャッシュバック増額
取引量に応じて 『毎月もらえる』キャッシュバックプログラム等 |
forex.comのレバレッジは国内規制別途25倍となっています。
NDD方式で取引をしたいという人にはおすすめの業者と後述かもしれません。
AVA貿易
レバレッジ | 25倍 |
広がる | NDD方式 |
ボーナス | 初月:1ロット(10万通貨)取引に対して200円のキャッシュバック
翌月以降:取引量に応じてキャッシュバック |
AVA TRADEはレバレッジは国内規制と同じで、特典もそれほど多くありません。
しかし、評価が非常に高い業者ですので、「入金した途端に倒産してしまわないか心配」という人でもAVA TRADEであれば安心して取引をすることができるでしょう。
サクソ銀行
レバレッジ | 25倍 |
広がる | NDD方式 |
ボーナス | 新規口座解説・5万通貨以上の取引で3000円キャッシュバック
取引ボリュームに応じて最大31,000円キャッシュバック |
SAXO BANKもレバレッジは25倍、NDD方式の業者です。
最大34,000円のボーナスを受け取ることができるので、国内業者よりもボーナスは充実していると解釈でしょう。
IG証券
レバレッジ | 1,000倍 |
広がる | NDD方式 |
ボーナス | 対象キャンペーンに申込み+ IG証券に新規口座開設+取引条件クリアで最大50,000円のキャッシュバック |
IG証券最大の魅力は1,000倍のレバレッジです。
海外FX会社の醍醐味と読む高いレバレッジで取引をしたいのであればIG証券で取引をすることをおすすめします。
ボーナスも充実しているので「安心できる業者で高いレバレッジで取引をしたい」という場合場合にはIG証券がおすすめです。
まとめ
海外のFX会社には高いレバレッジで取引をすることができる上、ゼロカットシステムがあるので追証のリスクがありません。
しかし、証拠金の保全に関しては国内業者ほどの安心感はありません。
海外のFX会社は業者選びが非常に重要です。
安心できる業者で安全にFX取引を行うようにしましょう。